プロフィットファクターとは?
自動売買でEAを動かしはじめて間もない方の多くは、「いくら利益がでたか?」という部分に真っ先に目が行きがちですが、慣れたEAの開発者さんや運用者さんはプロフィットファクター(PF)の数値に注目します。
プロフィットファクターとは総利益が総損失の何倍かを表す数値のことで、
総利益 ÷ 総損失 = プロフィットファクター(PF)
の式で求めることができます。
プロフィットは英語で「利益」、ファクターは「要因」という意味なので、なんとなく利益に関する能力を示しているのかな?
というのはなんとなくわかっていただけるかと思うのですが、プロフィットファクターは1を基準として、それよりも大きければ利益がでており、1よりも小さければ損失が出ている状態で、この数値が大きいほど効率よく利益を上げていることを表します。
いわば期待値のようなものですね。
プロフィットファクターの値は1.5~2.0前後が理想
EAやインジケーターのバックテストを行いますと大抵プロフィットファクターの数値が出てきます。
理想的な数値は1.5~2.0あたりで、2.0ですと損失1に対して利益が2の状態を表していますので、勝率が50%以下でも利益がだせる良いEAと言えるでしょう。
しかしプロフィットファクターが1よりも低い場合はたとえ勝率が50%以上でも総利益はマイナスになってしまいます。
下記の表を見てましょう。
勝率が良くてもプロフィットファクターが悪い利益は出ない
取引 | 合計 | ||||||
一度の利益が損失の2倍 PF=2.0 勝率50% |
負け -1000円 |
勝ち +2000円 |
負け -1000円 |
勝ち +2000円 |
負け -1000円 |
勝ち +2000円 |
+3000円 |
一度の利益が損失の1倍 PF=1.0 勝率67% |
勝ち +1000円 |
勝ち +1000円 |
負け -1000円 |
勝ち +1000円 |
勝ち +1000円 |
負け -1000円 |
+2000円 |
上記の表は上の段は勝率が50%でプロフィットファクターが2.0のツールで、下段が勝率67%でプロフィットファクターが1.0のツールです。
実際に取引と利益を見ますと勝率が低くともプロフィットファクターの高い上段のもののほうが多くの利益を出しているのがわかります。
また、この表のようにプロフィットファクターの高さと勝率は相反するもので、プロフィットファクターが高いEAなどは勝率が下がる傾向が、プロフィットファクターが低いものは勝率が上がる傾向があります。
これは利益確定のタイミングが大きく関係しており、勝率が低くてPFが高いツールは利益確定をギリギリまで粘るので、利益確定ラインに到達するよりも先に損切りラインに到達する結果であり、勝率が高くてPFが低いツールは少しの利益で利益確定するので、勝率だけは高くなる傾向があるからです。
プロフィットファクターが高すぎるEAに注意
このようにプロフィットファクターはEAの実力を測るのに便利な数値なのですが、たまにツールの販売サイトなどで、PF3.0や4.0なんていう数値を見ることがあります。
正直コレは「高すぎる」数値でして、バックテスト時にたまたま上手く言った期間を公開している可能性が非常に高いです。
または、1ヶ月などごく短い期間でしかバックテストをおこなっていないかですね。
ですので、EAやインジケーターを購入する時はかならず、プロフィットファクターを検証した期間も合わせて見るようにしましょう。
一般的には3年以上のバックテスト期間が望ましいとされていますよ。
プロフィットファクターとは? まとめ